社長note Vol.1

目次

はじめに

2026年6月10日、フルハシタイヤ結城店で火災が発生いたしました。

この火災により、近隣の皆様をはじめ、お客様、お取引先様、関係者の皆様に多大なるご心配とご迷惑をお掛けしましたことを、改めて心よりお詫び申し上げます。

現在も、近隣の皆様への対応や再発防止に向けた取り組みなど、一つひとつの課題に誠実に向き合いながら歩みを進めています。

私たちは、この出来事を「終わったこと」として発信するつもりはありません。

今もなお、一つひとつの課題と向き合い、地域の皆様により安心していただける会社を目指して歩み続けています。

そのような中で、フルハシジャーナルでは、当社代表・古橋へインタビューを行いました。

今回お伝えしたいのは、火災の経緯ではありません。

一人の経営者が、この出来事をどう受け止め、何を守ろうと考え、何を決意し、これからどのような会社をつくっていこうとしているのか。

その率直な思いを、代表自身の言葉でお届けしたいと考えたからです。

火災という出来事は、一つの記事で区切りをつけられるものではありません。

だからこそ、この「社長note」では、私たちがこれからどのように責任と向き合い、行動し、信頼を積み重ねていくのか、ありのままの思いと、そのプロセスを記録し、皆さまにお伝えできればと思います。

※本記事は、代表・古橋へのインタビューをもとに、フルハシジャーナル編集部が構成・編集しています。

あの日、電話が鳴った。

2026年6月10日。

古橋は都内で、同業者との打ち合わせを終えたところでした。

ちょうど石岡では技能グランプリが開催されており、

「誰が関東大会へ進めたのかな」
そんなことを思い電話に出たといいます。

しかし、電話の向こうから聞こえてきたのは、まったく予想もしていなかった言葉。

部長「結城店で火災です。」

古橋はその瞬間をこう振り返ります。

「とても信じられませんでした。

『え?』『何?』と、何度も何度も聞き返しました。


本当に血の気が引きました。」

「人は大丈夫なのか。」

現場へ向かう車の中で、古橋の頭に浮かんでいたのは、

「お客様は、近隣の皆さんは、社員は、業者さんは無事なのか。」

そのことばかりを考えていたといいます。

「車を走らせ、現場近くに行くと

消防車、パトカー、赤色灯、

そして、空へ立ち上る黒煙が見えてきました。

その光景は、今でも鮮明に記憶に残っています。」

今にも崩れそうなコンテナの中へ入り、命がけで消火活動を続ける消防隊員の皆さん。

その姿を見ながら、古橋はこう感じていたそうです。

「これが、本当に自分の会社で起きていることなのか。

そんな思いで、ただ立ち尽くしてしまいました。」

火災は長時間に及びました。

その間、自分たちにできたことはほとんどなかったといいます。

消防隊の皆さんの活動を見守ること。

社員の安全を確認すること。

それしかできませんでした。

ただ、古橋の頭の中では、

火災を見守りながらも、次の行動が途切れることなく浮かんでいました。

「火が消えたら、何から始めよう。」

「社員にはどう伝える。」

「お客様へのご案内は。」

「近隣の皆様への対応は。」

「取引先への連絡は。」

そして、現場に集まった社員へ最初に伝えた言葉があります。

「焦っても状況は変わらない。目の前のできることから、一つずつやっていこう。」

その言葉は、不安を抱える社員へ向けた言葉であると同時に、自分自身へ言い聞かせる言葉でもあったと話してくれました。

それでも、張り詰めていたものが・・・。

火災から二日目でした。

現実に起きたことの大きさと、これから対応しなければならないことの多さを改めて実感しました。

正直、押しつぶされそうになっていました。

そんな時、舟橋部長と話をしている中で、それまで張り詰めていたものが一気にあふれてしまって。

涙が止まらなくなりました。

代表だから、弱い姿を見せてはいけないと思っていました。

でも、あの時は一人では抱えきれませんでした。

その後、舟橋部長をはじめ、社員一人ひとりが会社を支えようと動いてくれる姿を見て、

『自分も立ち上がらなければならない。』

そう思いました。

今振り返ると、社員に支えられていることを、これほど強く感じたことはありません。」

守りたかったもの。

インタビューの途中で、古橋にこんな質問をしました。

ー 今回の火災で、一番守りたかったものは何ですか?

「人の安全と、これまで積み重ねてきた信頼です。」

「建物でも、設備でもありません。ましてや売上でもありません。」

「もし人の命が失われていたらと思うと、今でも本当に恐ろしいです。

社員、お客様、近隣の皆様、

そして、命がけで消火活動にあたってくださった消防隊の皆様。

誰一人として命を落とすことがなかったこと。

それが、何よりの救いだった。」

「私たちが今日も当たり前に仕事ができているのは、一日一日、お客様と向き合ってきた積み重ねがあるからです。」

「だからこそ、逃げずに一つひとつ、誠実に向き合うしかないと覚悟を決めました。」

地域に安心していただくために。

今回の火災では、店舗だけでなく、近隣にお住まいの皆様にも大きなご心配とご迷惑をお掛けしました。

立ち上る煙。

長時間にわたる消火活動。

日常の中で突然起きた火災は、地域の皆様に大きな不安を与える出来事となりました。

ー その点についてはどう思われますか?

「近隣の皆様には、本当にご迷惑をお掛けしました。」
「まずは、そのことを心からお詫びしたいです。」

そして、少し間を置いて、こう続けました。

「だからこそ、もう一度安心していただける会社にならなければいけないと思っています。」

「現在も、近隣の皆様への対応は続いています。安心していただけるかどうかは、これからの私たちの行動で判断していただくものだと思っています。」

再発防止に向けた取り組みを進めること。

安全管理を見直し続けること。

そして、地域と向き合い続けること。

それが、今回の火災に対する会社としての責任であり、信頼を積み重ねていく唯一の道だと思います。

原因不明だからこそ。

ー 消防・警察による調査の結果、現在出火原因は「原因不明」。その結果を聞いた時のお気持ちを教えてください。

「正直、複雑な気持ちでした。

原因が分かれば、その原因に対して対策を講じることができます。

しかし、今回は原因が分からない。」

原因がわからないからこそ、古橋の中で一つの考えが固まったといいます。

「原因不明で終わらせてはいけない。」

「原因が分からないなら、考えられることを全部やろう。」

一つずつ変えていく。

今回の火災を受け、社内ではすぐに安全対策の見直しが始まりました。

火の取り扱いルール。

喫煙場所の見直し。

充電機器の管理。

屋外保管の方法。

防犯カメラの設置。

お預かりしているタイヤの管理体制。

緊急会議を重ねながら、一つひとつ確認し、改善を進めています。

その様子について尋ねると、古橋はこう話します。

「特別なことをするというよりも、今まで当たり前だと思っていたことを、もう一度見直しています。」
「挙げればきりはありませんが、でも、それでいいと思っています。改善できることは、一つ残らず改善していきたいんです。」

「安全」の意味が変わった。

ー 古橋社長にとって安全とは何ですか?

「安全は、会社の土台です」


これまでも、社内での安全対策には取り組んできました。

作業中の事故を防ぐこと。

社員が安心して働ける環境をつくること。

しかし、今回の火災を経験したことで、「安全」という言葉の意味が大きく変わりました。

「火災を起こさないこと。」

「地域の皆様に不安を与えないこと。」

「社員が安心して働けること。」

「お客様が安心してタイヤを預けられること。」

「取引先様が安心して仕事を任せてくださること。」

「その全部が、安全なんだと思います。」

そして、最後にこんな言葉が続きました。

「売上や利益ももちろん大切です。」
「でも、その土台が安全であり、信頼なんです。」

会社を成長させるためには、まず安全であること。

その当たり前のことを、今回の出来事が改めて教えてくれました。

5人でも来てくれれば十分だと思っていました。

火災から4日後。

その日は日曜日でした。

結城店では、復旧作業を進めるため、有志で手伝ってくれる社員へ声を掛けることになりました。

もちろん強制ではありません。

休日でもあり、火災対応が続く中で社員一人ひとりも疲れがたまっている頃でした。

その時のことを社長はこう振り返ります。

「正直、5人でも6人でも来てくれれば十分だと思っていました。」

ところが、その予想は大きく裏切られます。

当日、結城店へ集まったのは約40人。

結城店だけではありません。

他店舗の社員も次々と駆け付けました。

さらに、同業者の皆様まで復旧作業を手伝いに来てくださいました。

その光景を目の前にした時のことを尋ねると、古橋は少し嬉しそうに話をしてくれました。

「本当にありがたいの一言でした。」

「この会社は、一人でやっている会社じゃないんだと改めて思いました。」

作業を終えたあと、集まった社員へこう伝えたそうです。

「今日は本当にありがとう。」
「この光景を、私は一生忘れません。」

この出来事が、古橋の中で一つの確信につながったと話します。

「会社って、建物じゃないんですよね。
改めて人なんだと思いました。

社員一人ひとりが、「会社を何とかしたい」という思いで集まってくれたこと。

その姿を見て、フルハシタイヤはまだまだ成長できる」

そう心から感じたそうです。

「転機。」

ー 今回の出来事を、一言で表すとしたら、どんな言葉になりますか?

「転機です。」

少し間を置いて、こう続けました。

ただ…「最初からそう思えたわけではありません。」
「最初の一週間は、本当に辛かったです。」
「悔しかった。」
「なぜなんだ。」
「目の前の光景が忘れられませんでした。」

その気持ちは、今も決して消えたわけでは無いようですが、時間が経つ中で、一つの思いに変わっていったといいます。

「このまま終わらせちゃいけない。」

「火災という事実は変えることができませんが、

しかし、その出来事から何を学び、どう変わるかは、自分たちで決めることができる。」

「目を背けずに向き合い、誠実に、一つずつ変えていく。」
「それが、フルハシタイヤが成長するために必要なことだと思っています。」

100年企業へ向けて。

ー 今回の経験を経て、これから100年企業を目指していく中で、社長が一番大切にしていきたいことは何でしょうか?

「創業75年。

その歩みは、お客様、地域の皆様、お取引先様、そして社員一人ひとりに支えられてきました。

100年企業への道のりも、その何か一つが欠けても歩むことはできません。

今回の火災は、多くの方々にご心配とご迷惑をお掛けしました。

その事実から目を背けることなく、誠実に向き合い続けること。

そして、安全への取り組みを積み重ね、地域の皆様に安心していただける会社であり続けること。

その一歩一歩が、100年企業への歩みにつながると信じてます。」

「だからこそ、今回の出来事を、辛かったで終わらせてはいけない。」
「転機にしなければならないんです。」

編集後記

今回のインタビューは、火災の経緯を振り返るために行ったものではありません。

現在も、近隣の皆様への対応や再発防止に向けた取り組みが続いています。

だからこそ私たちは、「今、経営者は何を考え、何を決意しているのか」を記録として残したいと考えました。

インタビューの中で、古橋が繰り返し口にした言葉があります。

「一つずつ。」

それは、問題を一度に解決するという意味ではなく、一つひとつの課題から目を背けず、誠実に向き合い続けるという覚悟の表れだと感じました。

そして、もう一つ印象に残ったことがあります。

火災についてお話を伺っているにもかかわらず、古橋の話は何度も「これから」という言葉へ戻っていきました。

社員のこと。

地域の皆様のこと。

お客様のこと。

安全のこと。

100年企業のこと。

過去を振り返るためではなく、未来をどうつくっていくのか。

そのことを考え続けている経営者の姿が、今回のインタビューを通して強く伝わってきました。

この出来事は、まだ終わっていません。

第2回では、今回の火災を受けて会社が何を見直し、どのような安全改革に取り組んでいるのか、「安全は、会社の土台です。」という古橋の言葉をテーマにお届けします。

私たち編集部も、その歩みをこれからも記録し、ありのままを皆様へお伝えしていきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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